What's 農電ケーブル
■農電ケーブルの使用目的は・・
農電ケーブルは通電することによって発熱し「床土」や「本圃」を手軽に必要な温度にすることができます。「踏み床」では温度管理が「たいへんめんどう」ですが、農電温床にすれば、希望する場所で希望する温度を希望する時間だけ得られます。作物を栽培するとき「苗半作」と言います。地温の確保しにくい冬場のハウス育苗でも、農電ケーブルを使用することで栽培者の意図する地温が得られ「根張りのいい」立派な苗を仕立てることができます。なお、使用目的以外の用途に使うことはできません。
■安全です。
長年の技術とノウハウで育苗床/本圃/水耕栽培など、電気的にきびしい環境でも安心してご使用いただけます。
■簡単です。
温湯を利用したベッドヒータとはちがい工事不要です。農電温床は通常の「育苗ベッドを作る材料」+「農電ケーブル」それだけです。また、農電サーモを併用することで、わずらわしい温度管理を自動化できます。
育苗ベッドの使用例
東洋欄の使用例
農電ケーブルの構造図
農電ケーブルは構造によって下記の3種類に分かれています
三相型及び平行型農電ケーブルは片側から給電する構造のため「敷設する手間が少なく」たいへん使いやすくなっています。
単相型農電ケーブル (単相100V/200V)
発熱線両端に給電用のリード線がついています。
(発熱線の長さはそれぞれの規格によります)
三相型農電ケーブル (三相200V)
発熱線の
片側は・・・端末部
片側は・・・リード線(給電部)
(発熱線の長さはそれぞれの規格によります)
平行型農電ケーブル (単相200V)
発熱線の
片側は・・・端末部
片側は・・・リード線(給電部)
(発熱線の長さはそれぞれの規格によります)
温床に必要な電力
農電温床に必要な電力は、地域/設置場所/構造によってことなりますが、つぎの計算式によって“およその必要電力”を求めることができます。
面 積:床面積(ベッドの坪数)
係 数:1坪あたりの電力(W)
■ は 種 床の場合:250
(床温27~30℃)
■ 移 植 床の場合:200
(床温20~25℃)
■計算例
幅1.5m×横8.8m(13.2m2)の『は種床』に必要な電力は?
面 積:4(坪)・・・・13.2m2÷3.3
係 数:250(W)・・・は種床
1,000w=4 × 250
(必要電力)=(坪数)×(係数)
以上の場合1,000W(1KW)の農電ケーブル1組(電圧100V/200Vは関係なく)が必要となります。
500Wの農電ケーブル2組(500W×2組=1,000W)でもかまいません。
■注 意
必要電力に端数がでた場合は500W単位で切り上げてください。
たとえば、必要電力が1,300Wと算出した場合は、1,500Wに切り上げる。
農電ケーブルを1組以上使用する場合は、電源に余裕のあることを確認してかならず並列に結線してください。
■参 考
地域や環境にもよりますが、育苗用に使用する場合・・・
500Wの農電ケーブルはおおよそ2坪用になります。
1,000Wのケーブルは、おおよそ4坪用になります。
配線(敷設)する場合の要点
■農電ケーブルを使用する場合の注意点■
農電ケーブルを配線(敷設)する場合は
「農電温床全面で均一な温度」になるよう配線間隔を調節することが肝要です。
配線条数と配線間隔は、つぎの式によって求められます。
■計算例
幅1.5m×横4.4mに農電ケーブル3-500(三相200V・500W~60m)を配線する
配 線 条 数:13.29(約13条)=(60m-1.5m)÷4.4m
平均線間隔:0.1(約10cm) =1.5m÷(13+1)
以上のようになります。
なお、実際に配線する場合は、下の図のように両サイドの間隔を『狭く』
中心部の間隔を『広く』配線する。
■注 意
上の図のように配線しないと両サイドから熱が逃げてしまい均一な床温にならない。
両サイドの温度が低く中心部の温度が高くなってしまう。
農電温床の断面図
■農電ケーブルを使用した「農電温床」の断面図は下記のとおりです■
断熱材を使用することにより短い時間で床土を加温でき、
節電の効果も大きくなります。断熱材の併用をおすすめします。
電圧別プラグ結線例と配線例
まちがった接続や不確実な接続は事故や火災の原因になります。不安な方は「電気工事店」に依頼すると安全で確実です。電気はムダなく安全に使いましょう。