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ひとくちメモ


「春夏冬□□五合」


記のように書いた貼り紙をして、商いにいそしむ商店を昔はよく見かけたものである。

商い ますます 繁盛」と読ませた。

「あきない」は「あきなう」を名詞にしたもので、その語源は「秋」だという。

「大入」秋の収穫のあとに取り引きが行われたことに由来する。初めは「あきない」のことを単に「あき」と言っていた。

「あきなう」の「なう」は行う(おこなう)、伴う(ともなう)のように、動作や行為を示す「する」の意である。

つまり、「あきなう」は「あきをする」という意味になる。
「商いは牛のよだれ」というたとえがある。牛のよだれが細く長く垂れるように、商売は気長に辛抱せよ、利益を急ぐなということだ。

落語のまくらでも、こう言っている。
「商いは根気よく続けなくちゃいけない。“飽きない”ってぇくらいのもんだ」

「商いは山椒の皮」ともいう。山椒の皮が辛いように、商売はせちがらいことをほのめかしている。

たとえそうだとしても「商いは正直が第一」と心得て、飽きずに根気よく精を出すのが「春夏冬□□五合」となるコツなのだろう。

=1998/09=



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